安藤太郎さんの想い出
安藤造園事務所にいた時、川端康成の家にカツラを植えに行きました。「自然と盆栽」といふ雑誌があり、それに安藤太郎さんが関与していました。その雑誌の代表は文学者然としていました。「自然と盆栽」に賛同している人々も文学者が多かったやうに思います。その関係で川端邸に行ったのだと考えます。川端邸は北鎌倉だったか、細い狭い道を入っていきました。家は和風の数寄屋造りで、まわりは建仁寺垣だったとおもいます。残念ながらこのとき、川端康成は自殺したあとだったのです。出てきた奥様はどこかで見たやうなおばさまでした。本当にどこにでもいるやうなおばさんです。デジャブー感たっぷりの奥様です。帰りの車の中で、安藤太郎さんがいひました。「どこかで見たやうなおばさんだなあ。」と、、、、